CLIMBIN' THE WALLS / WRATHCHILD AMERICA

アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの1989年にリリースされた デビュー盤。元KIXのギタリスト、BRAD DIVENSがボーカリスト兼 ベーシストとして参加している。方向的にはやや スラッシュ・メタルよりのヘヴィ・メタルで、リフを押し出して 来たりするものの、その一方でメロディアスな面を見せたりと METALLICA辺りの流れを汲むと言って良いだろう。但し、クランチ 気味のリフがあったりと、もっとコアな色合いを打ち出しており、 独自のスタイルを築き上げている。オリジナリティがあって、 パワフルで、アレンジ面を含めて中々面白いアルバムに 仕上がっている。[81]

3-D / WRATHCHILD AMERICA

アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの1991年にリリースされた 2年振りの2ndアルバム。前作よりスラッシュ・メタル的な色合いを 強め、リフが前面に押し出されて来ている。とは言え、単純な スラッシュ・メタルと言う訳ではなく、ジャズやクラシックや ロックンロールと言った、色んな音楽的エッセンスを取り入れた クロス・オーバー的なものとなっている。楽曲の構成はより複雑に 展開する様になっており、この辺りのアレンジ面も 強化されていると言って良いだろう。前作ではメロディを押し 出していたが、今作ではそう言う部分は控えめになっている。[83]

SCHIZOPHRENIA / WRAITH

イギリスのヘヴィ・メタル・バンドの3rdアルバム。 1stミニ・アルバムではSAVAGEのANDY DAWSON、LIMELIGHTの GLENN SCRIMSHAWがプロデュースしたりPETE WAYのサポートを 受けたりしてるが、中途半端にモダン風であり 洗練されているような感じがあって、人脈関係のようなサウンドは 期待しないほうが良いだろう。今作よりPHANTOM BLUEのKIMが 加入しているがPHANTOM BLUEの様なロックンロール色の あるものでもなく、むしろ正統派的だ。Resurrectionや Gates Of Babylon等、楽曲はそこそこ良くなってきているので もう少しめりはりが欲しいところだ。[80]

DANGER CALLING / WRAITH

イギリスのヘヴィ・メタル・バンドの1992年にリリースされた デビュー盤。3rdアルバム当たりに比べるとよりメロディ主体の 正統派ヘヴィ・メタルという感じで、全体的にイギリスの バンドというよりアメリカン・テイストが強い。楽曲によっては 質の悪いDOKKENという感じで、音質などは悪いが、方向性の 今一つ定まらなかった最新アルバム等よりよほど面白い。 B級という感はいがめないのだが、メロディアスな アメリカン・ハードが好きな人はある程度聴けるだろう。素材的に 面白い部分もあるのだが、プロダクションも悪く、あまりお奨め 出来る作品とは言い難い。[74]

STAKK ATTAKK / WRATHCHILD

イギリスのヘヴィ・メタル・バンドの1984年にリリースされた デビュー盤。N.W.O.B.H.M.末期に登場したバンドで、ルックスや スタイル、音楽的方向性にはL.A.メタル的なエッセンスを 感じさせるところが多い。化粧を施した、けばけばしい風体は、 今ではすっかり廃れてしまったファッションだが、それだけに 笑える。楽曲によってはMOTLEY CRUEっぽさを感じさせる 部分があり、N.W.O.B.H.M.が世界に広がってL.A.メタルの発生に 一役買ったのに対して、それを逆輸入したと言っても良いかも 知れない。とは言え、MOTLEY CRUE等と比べると、 プロダクションが格段に悪いので、本家以上に売れる事はない 訳で、このバンドも当然の如くマイナーなままで 終わってしまっている。[78]