YESTERDAY AND TODAY / YESTERDAY AND TODAY
アメリカのハード・ロック・バンドの1976年にリリースされた
デビュー盤。後に、メジャー・デビューに伴ってY & Tと
改名するが、これはまだインディ時代のものだ。Y & Tは叙情的な
メロディのアメリカン・ハード・ロック・バンドとして人気を
博すが、ここではまだその頃とは違って、メロディアスな要素は
薄く、よりストレートなハード・ロックンロールをやっている。
出来自体はそう悪くもないが、Y & Tを名乗るようになったときと
比べると、これといったものが感じられないのも確かだ。後の
Y & T時代の面影を感じる部分もあるが、まだまだ
熟成されていない感じだ。[78]
STRUCK DOWN / YESTERDAY AND TODAY
アメリカのハード・ロック・バンドの1978年にリリースされた
2ndアルバム。このアルバムを持って名前をY & Tに変えメジャーに
移籍し、メロディアスな
アメリカン・ハード・ロック・バンドとして名を馳せるが、随分
ストレートなサウンドだった前作と比べると、この作品でその
方向性が見え出したと言って良いだろう。ただし、まだまだ
完成度は低いし、プロダクションも非常に悪く、その後氾濫した
B級N.W.O.B.H.M.バンドみたいな内容で、次作以降とはまだまだ
雲泥の差だ。楽曲の練りもまだまだ足りないが、粗削りの原石と
言ったところで、光るところもちらほら伺える。[77]
CREATION / YEAR ZERO
イギリスのドゥーム・メタル・バンドの恐らく2ndアルバム。
SAINT VITUS、THE OBSESSEDといったバンドが所属する
HELLHOUNDからのリリースだ。ギタリストは元CATHEDRALの
ベーシストだったMARK GRIFFICHSが担当している。そう言う
点からも判る様に、基本的な路線はCATHEDRAL型の
デフォルメされたドゥーム・メタルで、リフ、メロディがかなり
強調された作品になっている。CATHEDRALよりはもっと
ハード・コア的な色合いが強く、タイトで疾走感を持っている。
ボーカルはMARK GRIFFICHS自身が取っており、この手のものでは
ちょっと珍しいタイプで太い声ながらお世辞にも旨いとは言い
難い。[79]
WITH TRAGEDIES ADORNED / YEARNING
詳細は良く判らないが、どうもフィンランドの
ドゥーム/デス/ゴシック・メタル・バンドの様だ。デス・ボイスは
一部使われているが、ほとんどはクリア・ボイスで、
デス・メタル色はごく希少だ。ドゥームっぽさはあるが、
ANATHEMAの様な重苦しさはなく、ややアップ・テンポ気味で、
より普遍的な印象を受ける。叙情的ではあるが、場所によっては
耽美さははほとんどない事もあり、どちらかというと哀愁漂う
ギター・メロディの方が印象が強い。JUHANI PALOMAKIの
クリア・ボイスはTRISTITIAをやや聴きやすくしたような感じで
一種独特な雰囲気を醸し出している。[74]
OPEN YOUR EYES / YES
イギリスのベテラン・プログレッシヴ・ロック・バンドの
アルバム。前作のライヴ録音されたアルバム、
KEYS TO ASCENSIONの編成からRICK WAKEMANが抜けている。
純然たるスタジオ・アルバムというとTALK以来の約4年ぶりの
作品となるが、RICKの代わりに入ったキーボードは
元WORLD TRADEのBILLY SHERWOODだ。WORLD TRADEというとピンと
来る人もいるだろうが、あのSTONE FURY崩壊後にギタリストの
BRUCE GOWDYが組んでいたバンドだ。だからといってハードな
作品になるはずもなく、YESらしい作品だが、やや
こんじまりとした感じを受ける。[80]
KEYS TO ASCENSION / YES
イギリスのプログレッシヴ・ロック・バンドの1996年に
リリースされた2枚組みのライヴ・アルバム。この作品から
RICK WAKEMANとSTEVE HOWEが復帰して、旧来のメンバーによる
編成に戻っているが、RICK WAKEMANは残念ながらこの後再び
バンドを離れており、この再編成ではこれ
1枚きりとなってしまっている。最後のRhat, That Isのみは再結成
メンバーによる唯一のスタジオ作品で19分を超える組曲の大作だ。
YESらしい壮大さに溢れた楽曲とRICK WAKEMANのキーボードを始め
演奏も良く出来たライヴ・アルバムだと言えるだろう。[85]
KEYS TO ASCENSION 2 / YES
イギリスのプログレッシヴ・ロックが1996年にリリースした2枚
組みライヴ・アルバムKEYS TO ASCENSIONの続編とでも言うべき
作品でEYS TO ASCENSIONAと同じく1996年に
レコーディングされたものだ。故に、ここではバンドからは既に
離れているRICK WAKEMANがキーボードをプレイしている。
KEYS TO ASCENSIONと同じく、スタジオ録音の新曲が
収められており、ライヴ・アルバムが1枚、スタジオ・アルバムが
1枚と言う構成になっており、録音された頃が同じだけあって、
ライヴの出来はKEYS TO ASCENCIONと遜色のない出来に
仕上がっている。新曲の出来もRICK WAKEMANのキーボードと
しんみりとしたアコースティック・ギターが印象的なMind Drive
等、叙情的で壮大な中々聴きごたえのある楽曲が取り
揃っている。[82]
SPOT REMOVER / YELLOW MACHINEGUN
日本のハード・コア・パンク・バンドのアルバム。メンバーは全員
女性という構成だが、非常に攻撃出来で破壊力のあるサウンドを
聴かせている。ボーカルの奥村かおりは何種類かの
ボーカル・スタイルの歌い分けを行っているが、最初に披露する
咆哮型のシャウトなどは女性とは気がつかないくらい極悪で
迫力がある。ノーマルなボーカルでやっと女性と気づく位、強力な
咆哮と言って良いだろう。そのサウンドはハード・コア
然としているが、かなりヘヴィで、リフがザクザクと
刻まれたりしているので、ヘヴィ・メタル側の人間でも結構
聴けるのではないだろうか。特にEAT HAT FAT等では、
スロー・テンポの部分でいかにもBLACK SABBATHを思わせるような
所があり、そういった感が一層強い。[80]
THE LADDER / YES
イギリスのプログレッシヴ・ロック・バンドのアルバム。
彼等がやっているだけあって、特に変な捻りもないし、
プログレッシヴ・ロックの難解さもない。かなりポップな
メロディで非常に聴き易いアルバムに仕上がっている。
JON ANDERSONがボーカルだけあって、透明感漂う空間的な広がりを
感じさせるサウンドは非常に聴き易く、さすがと言った感じだ。
だが、ヒット曲になりそうなものもないので、全体的に何となく
進んでいく感じで、盛り上がりに欠けるのはいかんともし難い。
ボーナス・シングルとしてI've Seen All Good Peopleと
And You And Iのライヴを収めたものがパッケージされているが、
これを聴いても印象はあまり変わらない。[80]
SPLIT / YELLOW MACHINGUN/ABNORMALS
日本の女性ハード・コア・パンク・バンド、YELLOW MACHINGUNと
パンク・バンド、ABNORMALSのスプリット・シングル。お互いの
メンバーを入れ替えて、YELLOWMALS、AB MACHINGUNと言う混成
バンドでの楽曲も入っている。YELLOW MACHINGUNは
ハード・ロックンロール系のハード・コア・パンクで、MOTORHEAD
タイプ。ABNORMALSはGLENN DANZIGっぽいCOMIの声質もあって、
MISFITSを思い起こさせる。激しく速い分だけ、どうしても
YELLOW MACHINGUNの方がインパクトが強い。両方とも純然とパンク
的なので、その系統が平気でないと今一つ面白味が伝わらないかも
知れないが、出来は悪くない。[81]
FRORE MEADOW / YEARNING
フィンランドのゴシック/ドゥーム・メタル・バンドの
3rdアルバム。メンバーが2人だけになってしまった影響も
大きいだろうが、前作では女性ボーカルも絡めていたのが、
今作では男性クリア・ボイスを中心として、若干デス・ボイスも
含めた形態となっている。デビュー盤でもそれ程ドゥーム・メタル
的な色合いが強いと言う程ではなかったが、この作品ではそう
言った色合いがかなり薄くなっていると言って良いだろう。
アップ・テンポで憂いの帯びたメロディのゴシック・メタルで、
オーケストレーションもかなり多用されている。不気味でスローな
部分があって、静と動の対比が良く出ているが、逆に静の部分の
退屈さが浮き彫りにもなっている。[82]
MAGNIFICATION / YES
イギリスのプログレッシヴ・ロック・バンドのアルバム。今作では
メンバー・チェンジで失った、彼等の音楽に不可欠である
キーボードを補充せずにアルバムを作ると言う、大胆な試みに
出ている。そのため、キーボードを全て廃し、オーケストラとの
コラボレーションになっているのだが、それがこのアルバムの
大きな特徴になっていると言って良いだろう。キーボードを
フル・オーケストラに置き換えている訳なのだが、そのためより
壮大なスケール感を醸し出していると言って良いだろう。
楽曲的にはこれまでの彼等の延長線上とも言うべき、ポップで
ドラマティックでシンフォニックなものなのだが、その特徴を
殺す事無く上手く活かしていると言う印象を受ける。[85]