FROM WELCOME...TO GOODBYE / ZAR
ドイツのハード・ロック・バンドの1993年にリリースされた
3rdアルバム。叙情的なメロディのハード・ロックで、
洗練されているのでドイツと言うよりはアメリカ的な産業ロックを
イメージさせるサウンドだ。適度に憂いを帯びた、叙情的な
メロディは非常に素晴らしく、甘いキャッチーな
ボーカル・ラインも聴き易くて良い出来だ。飛び抜けた
楽曲はないが、メロディ・センスの高さは伺わせてくれる。敢えて
難点を挙げるならば、プロダクション面で、音が薄っぺらく
聴こえるのが残念だ。後半、ブルージィな楽曲が続いたかと
思ったら、Bushidoの様なメタル色を打ち出した楽曲がいきなり
来りと流れが悪いのも気になる。[83]
BOOK OF SHADOWS / ZAKK WYLDE
アメリカ人ギタリストの初のソロ・アルバム。OZZY OSBOURNEでの
アルバム作成後、Geffinとのソロ・アルバムの契約問題や、GN'R
加入の噂、OZZYとのツアーなど色々な諸事情から結局ソロと自己の
バンド以外は全て残らないという運の悪い状態となったが、
とにかくソロ・アルバムはこうしてリリースの運びとなった。
ソロと言っても、ギター・アルバムという訳ではなく、方向的には
PRIDE & GLORYとさして変わらないが、ここにはハード・ロック
的な世界観はない。ゆったりとしたアコースティックな南部風の
ブルーズ・ロックで落ち着いた作風になっており、彼のルーツが
伺える。[82]
SORTED OUT / ZAR
ドイツのメロディアス・ヘヴィ・メタル・バンドの1991年に
リリースされた2ndアルバム。彼らのアルバムの中では最も
ヘヴィ・メタル色が強く、ネオ・クラシカルな雰囲気も
漂っている。アコースティックを取り入れたり、
プログレッシヴ・ロック的な部分もあり、悪く言えば少々散漫な
印象の仕上がりになっているが、名作と言える3rdアルバム、
FROM WELCOME...TO GOODBYEへ暗中模索している状態と言って
良いかも知れない。哀愁を含んだメロディに正統派タイプの
サウンドと言い、やろうとしていることには好感を持てる。[78]
THE HOLY RHYTHM OF NATURE / ZAR
ドイツの叙情派ハード・ロック・バンドの1995年にリリースされた
4thアルバム。なのだが、これまでの方向性からは大きな変化が
見られ、EXTREME辺りに影響を受けた訳でもないのだろうが、
非常にファンキーなものになっている。前作では良質の叙情的な
メロディの作品を作っていただけに、この方向転換はかなり
勘違いしていると言いたくなる内容だ。メロディ中心からのりが
中心の作品作りに変っており、特に酷いという訳ではないので、
そう言ったものが好きなら聴けるかもしれないが、
これまでのものを期待していると外す事になるだろう。[70]
LIVE YOUR LIFE FOREVER / ZAR
ドイツのヘヴィ・メタル・バンドの1990年にリリースされた
デビュー盤。叙情的で、美しいキャッチーなメロディの
ヘヴィ・メタルをやっているのは、今のところ最後に
リリースされた4thアルバム以外変る事はない。元々良質の
メロディのヘヴィ・メタルをやっていた訳だが、このアルバムは
その中でも楽曲の出来が飛びぬけている。いきなり出だしの
Heart Of The Nightのメロディの美しさ、叙情的かつキャッチーな
レベルの高さには度肝を抜かれるが、アルバムを通して、ある程度
そのテンションを保つ事に成功しているし、臨揚感がある。ただ、
残念なのはプロダクションが悪くて、若干音が割れている事が
このアルバムの価値を落としている事だ。楽曲だけを取れば
間違いなく名盤といえる作品で、このバンドが最後は
勘違いして変な方向に走ってしまったのはもったいない事だったと
実感させてくれる。ボーカルは元URIAH HEEPのJOHN LAWTONで、
彼はこの後LUCIFER'S FRIENDを再結成している。[90]
STRONGER THAN DEATH / ZAKK WYLDE
OZZY OSBOURNE BANDのアメリカ人ギタリストによる
2ndソロ・アルバム。ソロ名義ではあるが、BLACK LABEL SOCIETYの
ロゴも入っており、方向的にも完全にBLACK LABEL SOCIETYの
それを引き継いでいる。ストーナーでギターの比重を高めたと言う
形は変らず、スローなナンバーを入れたりとより柔軟な感じのする
作品に仕上がっている。こう言うサウンドを始めてやった前作の
様なインパクトはどうしてもないが、出来的には決して前作に
劣っていない。ハードでヘヴィなサウンドは、グルーヴィで
フックがあるし、BLACK SABBATHの流れを汲むヘヴィ・ロックな
楽曲も出来が良いし、ギターも思う存分聴かせてくれている。[85]