ZEBRA / ZEBRA
アメリカのハード・ロック・バンドの1983年にリリースされた
デビュー盤。トリオ編成ながらキーボードを前面に押し出し、
プログレッシヴ・ハード的な色合いの濃い作品と言えるだろう。
アコースティック・ギターとキーボードによる、スペイシーな
感覚漂うWho's Behind The Door?のスマッシュ・ヒットもあり、
地味なヒットを記録した作品だ。全体的にスペイシーな感じが先に
立っているが、Tell Me What You Want辺りは扇情的で、かなり
ハードなものとなっているので、メタル側のリスナーにも十分
聴けるだろう。RANDY JACKSONのややヒステリックな感じもする
ハイ・トーンのボーカルが特徴的だ。[82]
ZENO / ZENO
ドイツのヘヴィ・メタル・バンドの1986年にリリースされた
デビュー盤。元SCORPIONSのギタリスト、ULI JOHN ROTHの弟
ZENO ROTH引き入るバンドだ。後にベーシストの
ULE WINSOMIE RITGENを始め、ZENO ROTH以外のメンバーで
FAIR WARNINGを結成したのは有名な話だ。ヨーロッパらしい
叙情味と憂いに満ちた楽曲に、独特のトラディショナルな
メロディを盛り込んでおり、一風変わった味わい深い
作品となっている。その楽曲と、MICHAEL FLEXIGの独特の節回しの
ハイ・トーンに、絶妙のバランスが感じられる。Sent By Heaven、
Heart On The Wing等、佳曲も多く、FAIR WARNING程
ヘヴィ・メタル然としている訳ではないが、FAIR WARNINGの原点と
言える作品だけに、FAIR WARNINGのファンなら聴いて損はない。
[92]
ZERO / ZERO
スイスのヘヴィ・メタル・バンドの1994年にリリースされた
デビュー盤。元STORMBRINGERのギタリスト、ANGI SCHILIRO率いる
バンドだ。スイスのバンドらしく、アメリカナイズされた
メロディアスなヘヴィ・メタルを聴かせてくれている。洗練され、
エッヂの立ったサウンドはプロダクションも良いし、実に格好良い
アルバムに仕上がっている。Last Of The Tennage Idolの様な、
アップ・テンポの勢いのあるナンバーから、哀愁味の効いた
Cryin' Out For Mercyやアコースティック・ギターを配した
バラードのNo Time For Lyin'まで、全体的なバランスも良い。
[84]
ZENOLOGY / ZENO
1980年代中頃にレコード会社と破格の契約を行い、わずかアルバム
1枚で解散した、元SCORPIONSのULI ROTHの実弟ZENO ROTH率いる
ドイツのハード・ロック・バンドの復活第1弾となる2ndアルバム。
今作では、実際はパーマネントなバンドでは無く、彼の
ソロ・アルバムとも言って良いアルバムだろう。当時のZENOの
メンバーによるバンド、FEAR WARNINGに提供した
Heat Of Emotionも収録されている。ボーカルを主に担当している
MICHAEL FLEXIGはZENOの1stアルバムでもボーカルを取っており、
ELECTRIC SUNのボーカルを取っていた。彼の決して旨いとは
言えないが、不思議な魅力のあるソウルフルなボーカルはZENOの
メロディに非常に良く合っているのではないかと思う。1stに
比べると随分ハードになった分、あのハード・ロックっぽくない
不思議な叙情感溢れるサウンドが引っ込んだように思えるのは
残念だ。もう少し1st並の叙情感を出せれば
文句のないところだったし、楽曲は1stの方が良かったと思える。
[90]
FREAKSHOW / ZERO NINE
フィンランドのハード・ロック・バンドのニュー・アルバム。
ホーン・セクションがかなり前面に押し出されており、北欧の
バンドというにはだいぶ趣を異にするようになっている。
KEPA SALMIRINNEのボーカルは、幾分AXEL ROSEを意識した様な
歌い方で、Love Hurts(Thats All You Gonna Learn About Life)
等はGUNS N' ROSESを思い起こさせるような楽曲である。その
一方で、GRAHAM BONETTのNight Gamesのフレーズをそのまま
入れた様な、キーボードを前面に押し出した扇情的な楽曲の
Tango Del Dolorの様に、方向性が今一つ定まっていない様な
印象を受ける。全体的にアメリカ風ののりの良いものが中心だ。
[78]
THE EYES OF TIME / ZEITGEIST
詳細は良く判らないが、多分アメリカのハード・ロック・バンドで
1995年にリリースされたアルバム。朗らかだが、もやっとした
何処となく哀愁を感じさせる叙情的な作品だ。ラテン調の
アコースティック・ギターを取り入れた、コーラスを多用した
内容になっている。ギターは中々良い出来だし、楽曲のアレンジも
良く出来ている。ただ、ハイ・トーン一辺倒のJASON LAMBの
ボーカルはアコースティカルでそれ程ハードでないパートは
ともかく、ハードな部分では抑揚のなさが気になるし、チープな
感じがするのはいかんともしがたい。オリジナリティもあるし、
全体的に出来も悪くないので、完成度をもっとあげれば面白い
存在になるだろう。[78]
LISTEN TO THE LIGHT / ZENO
今はZENO ROTHのソロ・プロジェクト的な色合いの強くなった
SCORPINONSのULI ROTHの実弟ZENOの3rdアルバム。ある意味では
昔のZENOのメンバーがやっているFAIR WARNINGと色合いは全く
同じなのだが、デビュー盤で見せたZENOの独特のメロディが
Goddess Of Sunriseで見られたりする。MICHAEL FLEXIGの独特の
声質と節回しもそういった感を尚一層強くしている。
デビュー盤ではどことなく異質な感があり、それ程
ハード・ロック然とした感じはなかったが、このアルバムでは
2nd同様、よりハードな作品となっている。FAIR WARNINGと
やっている事はそれ程大きな差異はないので、FAIR WARNINGが
好きなら結構いけるはずだ。ZENO ROTHの叙情的な
メロディ・センスは昔と変わらず素晴らしい。[88]
ZEELION / ZEELION
スウェーデンのハード・ロック・バンドのデビュー盤。RAINBOWに
影響を受けたと言うだけあって、方向的にはRAINBOWや
YNGWIE MALMSTEENと言った様式美系のクラシカルな
メロディアス・ハード・ロックだ。SUDDENのギター・プレイは
YNGWIE MALMSTEENの様な派手さは出してないが、作品の
トータル・バランスを考えると悪くないし、テクニックも
中々のものがある。ただ、そう言った方向性の作品においてかなり
キーボードを押し出されていてややうざったい感じがするのは少し
残念だ。アメリカン・プログレッシヴ・ロックの様な
Can This Be Loveの明るい軽快な楽曲を途中で差し挟んでくる
センスは良く判らないが。[80]
GAZE INTO THE LIGHT / ZEN
イタリアのプログレッシヴ・メタル・バンドの1997年に
リリースされたデビュー盤。この手のものとしては、かなり
ヘヴィ・メタル色の強い作品で、DREAM THEATREを
基盤としながらも、よりQUEENSRYCHE的なサウンドだと
言えるだろう。ここにDARIO DI PASQUALEのキーボードが、
プログレッシヴ・メタルらしく大きく取り入れられている。
ANDREA POLIDORAのボーカルは伸びやかで、JAMES LaBRIEを
普通にした感じで、サウンドに良くフィットしている。全体的に
緊迫感の漂ったサウンドは良く出来ているし、楽曲も平均的に良く
出来ている。複雑な展開等一切無いので、非常に聴き易いが、
決してインパクトがない訳ではない。しかし、DREAM THATRE的な
展開と変化を望むなら少し期待は外れるかもしれない。[91]
THE KING BISCUIT FLOWER HOUR PRESENTS... / ZEBRA
アメリカのロック・バンドのライヴ盤。ラジオ番組、
THE KING BISCUIT FLOWER HOURの放送用に録音されたものを
CD化したものだ。デビューして間もない1983年に行われた
アメリカでのライヴの模様を収めたものだが、デビュー盤からの
楽曲は半分だけだ。彼等の代表曲とも言うべき、
Who's Behind The Door?で幕を開け、楽曲が少ない事もあって、
最後はインタビューで締められている。方向的には、
アコースティック色も強い、キーボードがかなり前面に押し
出されたプログレッシヴ・ロック色の感じられるハードな
ロック・アルバムだ。からっとした叙情的なメロディの、空間の
広がりを感じさせる楽曲をライヴでも見事に再現している。[85]
10,000 LIGHT YEARS / ZENI GEVA
日本のハード・コア/プログレッシヴ・ロック・バンドの
6年振りとなるアルバム。方向的にはよりプログレッシヴ・ロック
的な色合いが濃くなっており、複雑でヘヴィなサウンドは
KING CRIMSONを思わせるところもある。ハード・コアっぽい
部分もあるが、全体的にヘヴィネスなプログレッシヴ・ロックと
言う感じで、狂気を感じさせる様なやや難解な作品だ。アイデアは
非常に面白いし、アイデアを表現するだけの力量もあり、アイデア
倒れになっていないのは素晴らしい。作品的に好き嫌いの
分かれそうな内容だが、楽曲の出来を始め完成度も高く、傑作と
言えるだけのアルバムに仕上がっている。[88]
THE TOWERS OF AVARIS / ZERO HOUR
アメリカのプログレッシヴ・メタル・バンドの2ndアルバム。
この手のものとしては、かなりテクニカル・ロック的な側面の強い
バンドで、WATCHTOWER辺りの変則性が受け入れられないと
厳しいだろう。変拍子を前面に押し出し、このフレーズを
リフレインする事によってより際立たせている。シンフォニックな
エッセンスを取り込みながらも、かなりヘヴィでエッヂの効いた
作品に仕上がっており、非常にアバンギャルドさを感じさせる
アルバムに仕上がっている。ERIK ROSVOLDのパワフルで透った
ボーカルも高音の伸びが良いし、演奏、楽曲ともかなりレベルの
高い作品に仕上がっている。[84]