2004.05.25 Updated T.Sangu

ネタバレ「世界の中心で、愛をさけぶ」

世界の中心で、愛をさけぶ 「世界の中心で、愛を叫ぶ」

    製作:本間英行
    監督:行定 勲
    主演:大沢たかお、柴崎コウ、長澤まさみ、森山未來、山崎努

    2004 TOHO CO., LTD  TOKYO BROADCASTING SYSTEM, INC.
         HAKUHODO DY MEDIA PARTNERS INC. SHOGAKUKAN INC.
         S・D・P MAINICHI BROADCASTING SYSTEM INC.

    35mmカラー作品、138分、シネマスコープサイズ、ドルビーデジタル


『世界の中心で、愛をさけぶ』製作委員会
あの頃、
僕は世界が溢れるくらい
恋をした。
あの時の君の声
今でも僕は
聞くことができる。
僕は生き残ってしまった
ロミオなんだ。
でも、たとえ今
この腕に君を感じなくても
僕は君を生きていく。    <チラシより>

期待の作品が2004年5月8日に公開された。この映画では、今を生きる朔太郎と律子のすれ違いを、亜紀との思い出を回想しながら紐解く感動的な作品。原作は、朔太郎と亜紀の二人が一緒に生きた頃の思い出と別れを描いている。

映画『世界の中心で、愛をさけぶ』ストーリー
映画版「世界の中心で、愛をさけぶ」では、小説ではほとんど語られることのな朔太郎 かった、成長し大人になった主人公・朔太郎のストーリーを大幅に追加。映画オリジナル部分である「現在の愛との対峙(たいじ)」と原作小説にある「過去のアキとの甘くせつない純愛」が織り成すアンサンブル・ストーリーとして再構築されている。

律子 物語は、大人になった朔太郎(大沢たかお)の婚約者・律子(柴咲コウ)が失跡するところから始まる。律子の行き先が四国だと知り、そのあとを追う朔太郎だったが、そこは初恋の相手・アキ(長澤まさみ)との思い出が眠る場所でもあり、朔太郎はしだいにその思い出の中に迷い込んでしまう……。


サク(高校時代の朔太郎:森山未來)とアキの初恋は甘く淡いものだった――二人は思い出・・・ 一緒にラジオ番組に投稿したり、ウォークマンで声の交換日記のやりとりをしたり、無人島への一泊旅行をしたりと、二人にとってはすべての一瞬が永遠のように感じられた。

亜紀の手・・・ ところがアキが不治の病であることが発覚し、運命が急転する。懸命に生きようとするアキだが、直面する現実は避けられない。一方、サクは、アキのあこがれだったオーストラリアの神聖なる土地・ウルルにアキを連れていく計画を思いつく。しかし病院を抜け出した二人は、空港に向かうも、アキは飛行機に乗ることなくロビーで倒れてしまう……。

――現在。思い出の迷宮をさまよう朔太郎と律子は、やがて、隠れていた「真実」を手二人の今後は・・・ 繰り寄せる。そして、かつて伝えられることのなかったアキの最期のメッセージが、十数年の時間を超えて朔太郎のもとへ届くこととなる……。

愛する人の死。未来を紡ぐ愛――

愛する人の「死」と生きていくために渇望する「愛」が織りなす、純愛タペストリーの誕生。


<公式ホームページより>

最高のチームが導きだした、新たなる『世界の中心で、愛をさけぶ』

最愛の人の死を胸の奥にしまい込み、目の前の愛と葛藤する現在の朔太郎には、昨年から出演映画が目白押しで日本映画に欠かせない存在となっている[大沢たかお]。そんな婚約者を愛し、運命的なキーパーソンとなる女性・律子には、TVドラマや映画また歌手としても同世代の女性の圧倒的な支持を集める[柴崎コウ]。不治の病に瀕しながらも懸命に生きようとする少女・アキには『黄泉がえり』『ロボコン』などの好演で、そのピュアな魅力に期待が集まる[長澤まさみ]。そんなアキをストレートに思い続ける少年時代の朔太郎には5歳から舞台で活躍、TVドラマ『ウォーターボーイズ』で脚光を浴びた[森山未來]。彼らを静かに見つめる、過去と現在の時間を結ぶ”時の番人”重蔵役には、行定作品『GO』でその圧倒的な存在感をみせつけた[山崎努]。そして、メガホンをとるのは『GO』で各映画賞を総なめにし、いま日本映画界で最も注目を集める監督とされている行定勲。未来の主人公を機軸にするアイデアを基に自ら脚本づくりにも取り組み、小説とはまた違った、むしろ小説の”その後”的な映画を作り出しています。原作者の片山恭一氏もその脚本には共鳴し、「僕の小説に対する”アンサームービー(答えとなる映画)”だ」と絶賛しています。また、岩井俊二作品『LoveLetter』『スワロウテイル』などを手掛けた篠田昇・中村裕樹コンビが撮影・照明にあたり、せつない物語を叙情的な映像美に見事に昇華させています。さらに、主題歌『瞳をとじて』は平井堅が担当。アキの最期のメッセージに対する”アンサーソング”として、自身初となる映画主題歌を美しいオーセンティック・バラードに仕上げており、小説<=>映画<=>音楽のコラボレーションが実現しています。
<チラシより>

ここからかなりのネタバレ!
亜紀の最期のテープ、「10月28日・・・」の言葉に涙が止まらない。このテープを聞いた足を引きずる律子の気持ちはどうなんだろう・・・と思いながら映画が始まる。しかし、足の問題も含めて意外にも思いも寄らぬ方向に展開していく。
亜紀が入院してからのカセットテープは誰が朔太郎に渡していたのだろか。そこがちょっと疑問になる。そして、律子は最期のテープをどうして聞くことが出来たのだろうか。些細な疑問点の二つが一つに融合することになる。そう、律子は幼少の頃、母親を亜紀と同じ病院で失っている。と、いうことは、亜紀と律子は病院の中で知り合い、友達になっていたのだ。律子からすると亜紀は「隣のお姉ちゃん」であり「手品の上手なお姉ちゃん」だったのだ。
「10月28日」その日には、何があったのか、そして、なんで朔太郎にテープを渡せなかったか。そこは、律子が足を引きずっていることに関係があったのだ。実は、その日に律子は交通事故にあっていたのだ。(指先の花では10月28日に母親が亡くなっており、そのドサクサ紛れでテープを渡さず仕舞だったことになっている。)そして、ふとしたキッカケでテープを発見し、亜紀の声を聞くことになる。


二人のプロフィール

ア キ
サ ク
本名
広瀬亜紀
松本朔太郎
誕生日
1969年10月28日 さそり座
1969年11月3日 さそり座
好きな色
オリーブの緑、森の緑

好きな食べ物
湯豆腐、メイプルシロップ、
のりにお醤油をつけて食べる白いご飯
ギョーザ、宇治金時、オムライス
好きなもの
調理実習、夏の麦茶、白のワンピース、
美容院の匂い
プールの授業、冬のクワガタ虫、
牛乳ビンのフタ、放課後のチャイム
好きな映画
「ローマの休日」「小さな恋のメロディ」
「ベンハー」
「ドラゴン怒りの鉄拳」「ライト・スタッフ」
「明日に向って撃て」

キャストについて
松本朔太郎:森山未來(16歳当時)、大沢たかお(今現在)
朔太郎 この二人が同一人物を演じているが、組み合わせとしては最高のキャスティングで何の違和感も感じない。
映画では朔太郎の方がちょっと頼りないが、そこがこの森山の演技がフィットしている。そして、昔の思いを背負って生きる朔太郎は大沢の演技が涙を誘う。ルックスも似ていることからうまく二人が繋がっていてよかった。

広瀬亜紀 :長澤まさみ
亜紀 この映画で一番重要な役がこの「アキ」だ。この「アキ」を十二分に演じているのが「長澤まさみ」と言う女の子だ。「まさみ」と「アキ」の融合点がこの映画の生命線になっていると感じられる。「まさみ」のフツーでカワイイ感じが思いっきり魅力的で、この「アキ」という女の子を等身大で演じてる。朔太郎よりもちょっとお姉さんぶるところなんか何とも言えず魅力的だ。この映画の本当の意味での主演と言っていいだろう。

藤村律子 :柴崎コウ
律子 原作では名前はないが最終章に登場している。この映画は原作のその後の朔太郎を描いているため、ここでは、重要な役割をなしている。そして、朔太郎の気持ちを晴れたものにするための大きな役割を果たしている。映画ではカセットテープによる文通が展開されるが、監督はいくつかの問題点にぶち当たっていたに違いない。その問題点をクリアする為には「律子」の存在が重要なカギになっている。悲しげな「律子」役を柴崎の好演でストーリーを支えてる。
重蔵   :山崎努
雨平写真館を経営するオヤジ「重じい」。映画の中では、朔太郎に様々な人生の道しるべを示唆してくれる、いいオヤジ。朔太郎と亜紀、朔太郎と律子、どちらにとっても重要な役割で関係してくる。そのオヤジに山崎努と言うキャラクターがグッドマッチだ。いい感じで映画を盛り立てている。

さんちゃんの映画「世界の中心で、愛をさけぶ」への思い
世界の中心で、愛をさけぶ 最初に明確にしておかなければならないことは、僕自身、邦画があまり好きではないと言うことだ。それを前提に評価してもらいたい。
涙はどれくらい流しただろうか。まず、上映数週間前、他の映画での予告編(長めの予告編)で最初に涙した。眩しい程のアキの姿と最期のテープの物悲しさ、その対比でグッと来てしまった。そして、本編中の各シーンで。DVD『世界の中心
で、愛をさけぶ 朔太郎とアキの記憶の扉』、本『世界の中心で、愛をさけぶ ビジュアルストーリーブック』『指先の花 -映画「世界の中心で、愛をさけぶ」 律子の物語』など、既にもう涙が枯れてしまうほどだ。
映画本編では、やはり「アキ」が眩しかった。こんな彼女がいたらいいよなぁ〜と思わせるところからこの映画の中に自分自身をおいて感じることが出来た。特に自分が男だから朔太郎の気持ちが痛いほどわかる。告白された亜紀「いいよ」 最初のカセットテープに何を録音すればいいのか迷ったり、そして「いまさらだけど、つきあってください」の問いにアキは「いいよ」と言ったときの朔太郎の気持ち。駆け出したいくらいの気持ちだろうな。そして夢島への旅。もう、幸せの絶頂だったはずだ。しかし、幸せの絶頂から突き落とされてしまうような現実「白血病」との闘いの日々が始まる。もともと、展開がつかめていたので、前半での日々も物悲しさを感じてしまう。最初は、海辺のシーンでの「サクと話したかったから」と言う場面でウルウルしてしまった。そして、体育館でピアノを弾く亜紀。その姿を見た大人になった朔太郎の「どうして忘れちまうんだろうな・・・大切なもの、あんなたくさんあったのに。17年前のあの日、台風29号が去った後、アキはひとりで死んでいった。アキは、アキは最期に、俺に会おうとしなかった。だからここに来るとまだアキがいるような
気がするんだよ・・・」の場面でかなりの涙が出た。
二人の相合傘 重じいの所での写真撮影。朔太郎はたまらなかっただろうな。眩しいほどのアキの姿を見せられて、どこかで「こんな姿を見るのは最期なんだ」と悟ったんだと思う。あまりにも悲し過ぎるよね。
思いは若い二人と今の朔太郎にしか及んでいないが、律子の存在も重要だといえる。当然、監督の意図はその後の朔太郎の話なので、律子の存在は当然重要といえよう。ただ、アキとどう絡んでくるのかがキーポイントなんだろうけど、アキとサクの展開に気をとられすぎて、結構、意表をつかれたって思ってしまった。まさか、アキのテープは律子の手によって朔太郎の下駄箱に届けられていたとは思わなかった。
特に好きなシーン、それは「あのね、サク? キスってゆうのは、夢を語ったりとかしながらするものなのよ?」と言うセリフのシーン。原作はキスしまくりだが、こんな純な恋愛をしている二人にグッときた。
嫌いな邦画についてこんなにコメントをしたことは無かったな。それくらいこの映画はボクの心を大きく揺さぶった。何度見てもいいもんだろうな。

このページの最後には、涙の止まらないアキの最期のコメントを・・・

アキの最期のテープ(全文)
10月28日・・・どうしてかなぁ、眠れないの・・・明日が来るのが怖くて眠れないの・・・あたし、もうすぐ死ぬと思う・・・あのね、私たちもう会わない方がいいと思うの。・・・あなたと過ごした永遠の何分の1かの時間が私の生涯の宝物です。あなたがいてくれて、幸せだった・・・いいよね、私たちは今日でお別れ。あなたが大人になって、結婚して、仕事をして、未来を生き続けることを想像しながら今夜は眠ります・・・目を閉じるとやっぱりあなたの顔が忘れられない。思い出すのは焼きそばパンを頬ばった大きな口。顔をくしゃくしゃに崩して笑う笑顔、ムキになってふくれるけどすぐに振り返って笑ってくれたときのやさしさ。夢島でのあなたの寝顔、今もすぐ目の前にあって触れていたいよ。バイクに乗せてくれたときのあなたの背中の温もりが一番、大切だった。本当にそばにいてくれてありがとう。・・・忘れないよ。あなたと過ごした大切な時間。最後にひとつだけお願いがあります。私の灰をウルルの風の中にまいてほしいの。そしてあなたはあなたの今を生きて。あなたに会えてよかった・・・バイバイ