2014.12.06 Update


黒 豹


1995年だったと思う。僕は某電気メーカーの労働組合が主催する船の旅に参加していた。行き先は北京・大連。そのとき、ふと入った土産物屋さんで、1本のカセットテープを手にした。いかにも怪しげな写真が使われたカセットテープ。その文字の中には「揺滾」の文字が・・・この時点で、この二文字がロックやハードロックを指すとは知らなかった。そして、帰りの船の上で聞いた。その曲はいまだに忘れもしない「光芒之神/黒豹」であったのは紛れも無い事実だった。そこで、このバンドについて、調べた内容を書き留めておこうと思う。ひょっとしたら、貴方も彼らの魅力にとりつかれてしまうかも知れない。彼らの曲を耳にして感じてもらいたい。言葉は通じなくとも、何か感じると思う。中国というあまりオープンな市場ではなかったと思うが、その中でその曲やテクニックを培い「ホンモノ」を感じさせてくるバンド、それが「黒豹」なんだと思う。ロックバンドの原点を感じつつ、中国の広大な台地、そして、未知なる可能性を感じさせてくれる彼の今後に期待したい! 

ジャケット タイトル リリース情報 コメント
Hei Bao 『黒豹楽隊/HEI BAO
    中國人世界銷售量
      最高的揺滾楽隊』
01. 無地自容
02. Take Care
03. 體會
04. 別來糾纏我
05. 靠近我
06. Don't Break My Heart
07. 臉譜
08. 怕你為自己流淚
09. 眼光裡
10. 別去糟蹋
1992.12.xx
CD
滾石唱片(台湾)
RD-1137
1987年ごろ、欧米のロックバンドの曲をコピーするバンドが誕生した。それが「黒豹」だった。オリジナルメンバーは、ギターの季丹(リートン)、ベースの王文杰(ワンウンジェ)、ドラムの王文芳(杰の兄)、そして他のメンバーには張逞、丁武、郭傅林という面々がいた。しかし、張逞と丁武、王文芳は脱退してしまい、丁武は「唐朝」を結成する。黒豹は郭傅林をマネージャーに専念させ、趙明儀(ドラム)、巒樹彬(キーボード)、寶唯(ボーカル)を加入させ、第2期黒豹がスタートする。このメンバーにて1st  Album「黒豹」を1991年に発表。まずは香港、そして台湾でリリースし「Don't Break Mt Heart」「無地自容」がたてつづけにヒット。話題を集め、アルバムは中国全土で150万枚を売上げたが実はそれ以上に海賊盤が出回っているようだ。2001年5月に再び「青春の船」で北京を訪れたさんちゃん。その時に入手した。特殊ジャケットで4重に折りたたんであり、折りたたんだ状態で豹の顔が完成するようになっている。内容は正にオーソドックスなハードロック。
Hei Bao 『黒豹
   /黒豹楽隊
    (HEI BAO LUE DUI)』
01. 無地自容
02. Take Care
03. 體會
04. 別來糾纏我
05. 靠近我
06. Don't Break My Heart
07. 臉譜
08. 怕你為自己流淚
09. 眼光裡
10. 別去糟蹋
11. 光芒之神
12. 同在一片天空下
13. 海市唇楼
14. 我不想説
2000.xx.xx
CD
ZONBA
 RECORDING
  CORPORATION
1st Albumをリリースすると、ボーカルの寶唯が脱退してしまう。そこでキーボードの巒樹彬がフロントマンとしてボーカリストとなり第3期黒豹がスタートする。中国各地でライブを行うとその人気も確実なものとなったが、黒豹の姿を見て初めてロックを知ったと言う中国人も少なくなかったそうだ。そこで、2作目のアルバム「光芒之神」を発表することになる。しかしアルバム発表後、今度は巒樹彬が脱退してしまう。なぜ、ここに1stを再度掲げたかというと、大同のとあるCD屋さんで入手した海賊盤なのかもしれないが、HDCD。これは1stの全曲の他、巒樹彬の歌う"光芒之神"の他4曲が収録されている。巒樹彬版の「光芒之神」が入手困難な状態であるので貴重な音源といえよう。巒樹彬の歌う黒豹も男性的でカッコイイ。クールだ。
光芒之神 『光芒之神/黒豹Ⅱ~光の神』
01. 光の神
02. 同じ空の下で
03. 教えてくれ
04. お前はお前
05. 美しき天国
06. 蜃気楼
07. 理想の地へ
08. 話したくない
09. 失われた緑
1995.6.21
CD
ビクターエンタテイメント
(日本)
VICP-5562
巒樹彬が脱退した黒豹には、ヴォーカルに秦勇(チンヨン)、キーボードに馮小波(フンシャオポー)を加入させ第4期黒豹がスタートする。そこで、海外進出を目指し「光芒之神」をリメイクする。ちょうどこの頃に、さんちゃんは1本のカセットテープを手に入れることになり、日本に帰ってきて調査をすると日本でもCDがリリースされることが決まっていた。ビックリ!!! このアルバムが世界に向けた彼らからの最初のメッセージとなった。中国でも本物のハードロックが聴けるという事にもビックリだが、各メンバーのテクニックがひけをとらないと言う部分が良くわかる。ハードロックに北京語と言う感じが期待以上にマッチしている事が良く分かる。
無是無非 『無是無非/黒豹Ⅲ
    ~信じる前に飛べ』
01. 信じるまえに飛べ
02. 安らかな世界へ
03. 嘘
04. 上には上が
05. 誰が一番愛してくれる?
06. 愛してくれる人のために
07. 望まないでくれ
08. 見知らぬ人のいない夜
09. 叫び
10. 明日に向かって
1996.2.21
CD
ビクターエンタテイメント
(日本)
 VICP-5686
「揺音場~Rolling Sound」と名付けられたレーベルの第1弾として2ndアルバムをリリースした彼らだが、すかさず日本へ攻撃をしかけてきた。それが3rdアルバムの登場と来日公演の実現だった。それまでイベントで来日は果たしてきたが、ようやく単独公演を実現する事が出来た。アルバム「無是無非」というアルバムをリリースした直後に来日公演を行った。残念ながら見ることはできなかったが、中国ナンバー1のバンドというライブを披露する事が出来たと言うレポートそ目にする事が出来て安心した。後にライブアルバムをリリースするが、そのライブも安定しているようだ。このアルバムでは他界した唐朝のベーシスト張炬(ジャンジュ)に捧げた絶品バラード"安らかな世界へ(放心走巴)"を収録。新メンバーがフル参加した初のアルバムであり、黒豹の意欲作にもなった。
不能譲我的煩悩没機會表白 『黒豹Ⅳ
   ~不能譲我的煩悩
       没機會表白』
01. 我們這一代
02. 不能譲我的煩悩没機会表白
03. 逃離
04. 已足[句多]
05. 三個人
06. 怎麼辧
07. 身不由已
08. 極限的感覚
09. 祝福的歌
10. 高興就来難過就走
1998.xx.xx
CD
JVC唱片
 中國敦煌國際
影視文化交流中心
 ISRC
 CN-C17-98
  -315-00/A
ようやく人気も出てきたと思っていたが、実はそんなことはなかったようだ。中国本土では絶大なる人気があるが、ここ日本では人気があるというレベルにまで達していなかったようだ。しかし、彼らは1998年に新たなアルバムをリリースしてきた。それが「黒豹Ⅳ~不能譲我的煩悩没機會表白」だ。いままでのサウンドを踏襲したアルバムになっており、完成度が高い。とある人から譲ってもらいましたが、99.11.22という日付入りの直筆サインが入ってます。したがって私の宝物になってしまったのは言うまでもありません。内容はタイトルソングがなんとも彼らの魅力満載の曲となっている。日本大手のレーベルが手を引いたせいか、原点に戻った荒々しさがあると感じる。安定した部分を感じられるのもまたこのアルバムの魅力かもしれない。
狂飆<->激情 『狂飆<->激情
   奥林匹克中心体育場
    大型演唱会現場盤
     Live In Beijing
      Olympic Stadium』
01. 別来糾纏我
02. 天地自容
03. 不能譲我的煩悩没機会表白
04. 臉譜
05. 別去糟蹋
06. 我們這一代
07. 逃離
08. 為所有愛我們的人
09. 高興就来難過就走
10. 放心走吧
11. Don`t Break My Heart
12. 怕你為自己流泪
1999.xx.xx
CD
国際文化交流
音像出版社
 ISRC
CN-A26-99
  -303-00/A
アルバムがリリースされた後に行われた中国国内のでツアーの模様を収録したライブ盤も発表された。黒豹初のライブCD。結成10年を迎え、北京のオリンピックスタジアムに3万人をあつめて行われたと言うライブの実況録音盤。選曲も彼らの代表曲12曲を収録した、ある意味ベスト盤になっている。("光芒之神"が収録されていないのが残念だが・・・)
Hei Bao Live 『狂飆<->激情
   奥林匹克中心体育場
    大型演唱会現場盤
 
 Rock n' Roll Music
   Power Live In
    Beijing Olympic
     Stadium 
     Black Leopard』
VCD-1
01. 別来糾纏我
02. 天地自容
03. 不能譲我的煩悩没機会表白
04. 靠近我
05. 光芒之神
06. 怎麼辧
07. 已足[句多]
08. 臉譜
09. 別去糟蹋
VCD-2
01. 体会
02. 三个人
03. 逃離
04. 為所有愛我們的人
05. 我們這一代
06. 高興就来難過就走
07. 極限的感覚
08. 放心走吧
09. Don`t Break My Heart
10. 怕你為自己流泪
2001.xx.xx
2VCD
国際文化交流
音像出版社
 ISRC
CN-A26-01
 -300-00/A J6
忘れた頃に「ポロッ」と出るのが彼らの味なのかもしれないが、上記のライブ盤のVCDがニ年の年月を経てリリースされたようだ。調査によると2001年2月リリースだと言うらしい。 中国ではVCD自身が空前ヒット商品として売れまくっているらしいが、この黒豹もVCDをリリースした。が、見てみると情報量がが少ないお陰で全体的に映像が荒い。残念だ。とは言えライブ盤と同日の内容でありながらも、曲数を増やして2枚組になって帰ってきた事は嬉しい。19曲入りでCDとほぼ同額程度なので絶対にお得である。それまで、なかなか彼らの姿を目にすることはなかったが、このVCDでは2時間を越える彼らの雄姿が満載されていて堪能できる。
黒豹 V 『黒豹V
  /BLACKPANTHER V』
01. 生活方式 Lifestyle
02. 空 Empty
03. 孤焰烈火 Raing Flames
04. I Din't Want To Say Goodbye
05. 错觉 lllusion
06. 未知的世界 Unknown Century
07. 旋转 Spin
08. 继续的飞 Fly On
09. 透明的影子 Transparent Shadow
10. 照亮我心 Light Up My Heart
2004.xx.xx
CD
中国文化
音像出版社
ISRC
CN-A49-04
-311-00/A.J6
2004年発売らしい。180万元(約3,600万円)の大金をつぎ込んだと言われているの5thアルバム。音楽スタイルは前作同様、ハードロックにバラードやポップスのエッセンスを融合したものではあるが、前作のクオリティには全然足りていないように感じる。海外レコーディングを行っているようだが「意味があったのだろうか?」と思ってしまう。どこか良いところを探すが・・・かなり厳しい。これまでと違った事をしようとしているのかも知れないが、それが空周りを起こしているんじゃないかと思うくらいだ。とは言え中国No.1の実力は全く陰っていないと感じる所は見事だ。08は切々と歌い上げる名曲だな。
黒豹 VI 『我們是誰/Who We Are』
01. 枷锁
02. 潮汐
03. 寻找
04. 不在沉默
05. 虎口
06. 洒脱
07. 一个人
08. 奔跑
09. It's My Time
10. 我们
11. 一个人(钢琴版)
2013.xx.xx
CD+DVD
九洲音像出版公司
Starwinmusic
SWS-0362
2013年発売。結成25周年記念盤らしくCDにDVDがカップリングされ、ジャケットがシングルレコードサイズで三面開き、解説の他に便箋のようなものが付いている。結構金かけて売り込んでるようだ。そして一番の注目はボーカルの秦勇が脱退し、張淇と言う1980年生まれの若手にチェンジしたことだ。どことなくキムタクに似ている風貌に違和感を感じる。秦勇が黒豹にマッチしているなぁと思っていたので心配ではあったが、張淇の声は男っぽくキレがあってロックになじむ声質でバンドの色合いが若干変わった感じがするが決して悪い方向には変化してないと言うものだ。個人的には前作よりも今作の方が好きだ。李彤のギターも冴えまくっているし、3の曲の良さが心を打つ。なんか何処を切っても彼らの良さがにじみ出てくるようなそんなアルバムに仕上がってるような気がする。黒豹も復活だなって思わせてくれる。